フリーランスになって自由を手にするという矛盾

フリーランスやノマドワーカー、副業にスラッシュワーカー。
そんな言葉が、「格好いい生き方」の代名詞のように世の中に蔓延っています。
いわゆる”トレント”ってやつです。
最近の相談で多い「フリーランス」問題。
この記事が誰かの後押し、または引き留めることができれば嬉しく思います。
かくいう私については、ここでは現36歳(2023年2月15日現在)の経営者。ということだけ伝えておきます。
フリーランス経験はなく29歳で株式会社を設立したので、フリーランスの方の気持ちは一切理解できませんので、失礼な表現や不快な言動があるかもしれませんが予めご了承ください。

詳しくは別記事で。

フリーランスって?

フリーランス、フリーター、バイトの境目って何でしょうか?
特に昨今のフリーランスの定義があまりにも不明確だと感じます。

数年前を思い出してみると、フリーランスとは何かしらのスキルが特化し、秀でているひと。
つまり「優秀なひと」が選ぶ生き方だったと記憶しています。

しかし今の多くは、
フリーランスから仕事を始める人。
会社が嫌だから、と転身する人。
昔とは違った、ニュータイプのフリーランスが存在している気がします。

そんなに「優秀な人」が増えたのでしょうか?

そうではなく、フリーランスの定義が時代と共に変化してきたのだと思います。

それってフリーランス?

元々働いていた会社を離れるタイミングで、その会社と業務委託契約を結び、仕事をいただきながらフリーランスになるのをよく目にします。

「それって本当にフリーランスなの?単に雇用形態が変わっただけの社員じゃん。」と話を聞く度に本質のズレを感じます。

フリーランスの本質とは、どこかに所属することなく、複数のクライアントを相手に仕事をし、報酬を得ていく生き方です。
どこかの会社に忠誠を誓い、その会社を軸に報酬を得ていく方法はフリーランスと言えるのでしょうか?

元々疑問を持ち、お酒の席では文句を言っていたはずなのに、結局依存し、そこに頼らざるを得ない選択を私は寂しく感じます。
そして、実質的には何も変化していないズルさやダサさも同時に感じています。

何が嫌で、何を求めてフリーランスを選択しましたか?
自分で選んだ道をもっともっと素敵な道にするために今一度考えてみましょう。

何を求めてフリーランスを選択するのか

「何のために?」という問いがいつもシンプルに人の方向性を導いているような気がします。
例えばお金。例えば時間。例えばやりがい。

結果から先に伝えると、この全てを得ようなんて到底不可能です。
仮に時間を優先したい方。今のお給料の1/10になっても続けることができますか?

お金を優先したい方。グレーな仕事でもやりますか?

全てを得れると思ってフリーランスを選択するのであれば地獄の第一歩を踏み出すんだと覚悟をもって進んでください。
そして、その覚悟ができている人は大丈夫です。あなたの未来は明るいです。

逆にどこかに特化した選択をできる人はフリーランスという生き方があっているのかもしれません。
欲深くならず、あなたの素敵な選択を胸張って続けていってください。

どちらも間違いではなく、どちらも素敵な選択だと私は信じています。

最後に、誰かが手を差し伸べてくれると思ってる方は、一度踏みとどまってみてください。
皆そこまで優しくありませんし、他人に構ってる暇なんてないのです。
堂々と会社に属して今の環境を少しでも良くする努力をしていってください。

今ある環境を変えることは、フリーランスの道よりもよっぽど大変で、フリーランスに逃げた人たちはあなたのような功績は得ることはできません。

どの道を選ぶかよりも、選んだ道をどれだけ素敵なものにするのか。
必ず選んだ道の道中にやりたいことは転がっています。

人生かけて遊べる「やりたいこと」を探す旅に出かけましょう。

やりたいことをやる

フリーランスとして生きていくために報酬を得るという、必ず誰しもが通る試練があります。
そしてよく耳にする言葉が「仕事ください」です。この言葉を聞くといつもすごく寂しい気持ちになります。

仕事をしたくてフリーランスになったのでしょうか?

もっと時間がほしくて。とか、やりがいを感じたくて。とかもっと大きな思いを掲げて飛び出していませんか?

「仕事ください」じゃなくて、「僕は世界を平和にしたいんです」みたいなやりたいことを声たからかに語り、「だったらうちのこんなことやってくれないか?」とやりたいことを必要な人と。つまり需要と供給がマッチしてその成果に対して、対価としてお金をいただくというのはいかがでしょうか?

サラリーマンの一大イベントである退職の時に得た、自由で夢に溢れていたあの日の感情を思い出してみてください。
少なからず今のあなたよりも大きな不安と期待に目を輝かせているはずです。

さらに、今の自分を俯瞰して見てみてください。
あの時感じていた自由は不自由だったことを感じているはずです。

フリーランスという不自由

自由だと思ってなったフリーランスは実は不自由だと感じたことはないですか?
ここで自由なはずのフリーランスの矛盾を知ることになります。

フリー(自由)ランス(槍)。

中世フランスの傭兵は君主に忠誠を誓うわけではなく、報酬によって戦いに参加。戦いの報酬としてお金を得ていたことから、フリーランスと呼ばれるようになりました。
槍はどれだけ力をつけても遣える側なのです。
言葉の通りなのであれば、どこまで行ってもフリーランスという立場は誰かに遣え自分の仕事を全うするもので、自由とは真逆な生き方なのかもしれませんね。

上級フリーランスへの道

実はかくいう私も株式会社の経営者でありながら、社員なしの個人会社です。
個人事業主=フリーランスではないですが、なんとなくそんなニュアンスで使われているフリーランスという言葉は、個人会社の私にも当てはまる言葉だと常日頃感じております。

ふと、お世話になっている某会社の代表から「法人格以外はフリーランスの人と一緒なのに、何が違うと思う?」と問いかけられたことがありました。

深く考える時間となり、私なりに答えが出た気がしています。

まずは、特定のクライアントに依存していないこと。
これは非常に大きな要素で、自分の価値を下げてしまうような仕事の選択を迫られた時、迷わず断ります。

もちろん大切なお仕事とお金なので多いに越したことはないのですが、それを続けることで疲弊し、楽しめないのであれば躊躇なく断る選択をします。
それは、多くのお取引がある中の一つの出来事で、それがなくなったからといって、自分の人生が窮地に晒されることはないからです。
前述した、前職からのお仕事がメインになっている方々への疑問がそれです。あなたが今いる場所はいつか必ず無くなる場所です。

大陸ですら移動します、昔あった小さな島は海に覆い尽くされました。
そこに居続けることはいつか必ず来るリスクを待ってるに過ぎないのです。

次に、与える側になるということです。

多くの人は仕事を得ようとしますが、仕事を与える側になるとなぜか仕事を得ることができるのです。それは私の実体験であり、会社経営の歴史の中で学んだことです。

会社を始めた頃、とにかくなんでもやって稼ぐ(足算)というモチベーションでスタートし、時間ややりたいことと引き換えにお金を得ました。そうしている内に、なんだか自分の生き方に疑問を持ち、「やりたいことをする」と決め、お金より自分のやりがいを優先し始めると(引算)、驚くことに足算していた時より売上が増え、心が豊かになったのです。

その後、たくさんの仲間と時間を共にし(掛算)、自分の利益を後回しにみんなに利益や仕事をシェア(割算)すると、更に驚くことに今までなかった売上が上がり心も更に豊かになったのです。

今は与える側にいることがすごく幸せで、自分だけではなく仲間も幸せにできている結果、与えられる側のフリーランスの方々と違う生き方ができているんだと強く感じています。

私が上級だということではないですが、少しだけ読んでくれている皆さんより長く自営という立場として感じたことなので、何かを感じていただけたら嬉しく思います。

今がその時です。

現在なかなか一歩を踏み出せずに、いろんな人に話を聞いている方や1人で悩んでる方。

根本的な考え方としては、悩んだらGOです。
しかし、相談する方の中で、実際行動する人はほんの一部しかいないのが現実です。

仕事がもらえるか不安。何もわからないから漠然と不安。というのがほとんどだと思います。

今抱えてる不安はたいしたことありません。

初めたらもっと大きな不安や心配が出てきます。それは、さまざまな経験をし、それらを乗り越え、ステージが上がっていく素敵な不安ですので是非楽しんでいってください。

神様はあなたが超えられるハードルしか与えません。

やるなら早い方が良いといいますが、あなたの人生において一番早いタイミングは今この瞬間です。どうせやるなら、今の方が明日より良くないですか?

何年後かの自分が後悔のない選択を今この瞬間にすべきなのです。

そもそも何年後かの未来が描けている皆さんを私は尊敬いたします。

これは皮肉であり、何年後かを作るのは、今この瞬間を生きてるあなた自身なのですから、未来を描くより今この瞬間を必死に生きてください。

未来のことなんて誰にもわかりません。
この瞬間にこんな記事を読んでる暇があれば、ぜひ行動してください。
いくら悩んでも未来は変わっていきません。行動のみが未来を作る唯一の方法なのです。

最後に

応援するために書き始めたこの記事は、気づけばたくさんの否定を書いてしまったかもしれません。不快に思った方大変申し訳ございません。

書いている中で感じた私の感情は、後押しするということではなく責任を持って現実を伝えるということです。

言葉とは裏腹に、この記事を読んで尚、フリーランスや起業を目指す方は全力で応援する所存でございます。

気づくのに早いも遅いもありません。気づけたことがすごく幸せなことなのです。

これから創っていく皆さんの素敵な道を私も見てみたいものです。

一度の人生、辛いことも含め楽しんだもん勝ち。私も負けないように楽しんでいきます。

関連記事